H4規格のバルブは汎用性が高く、多くの四輪国産車に採用されているだけでなく、バイク用にも採用されています。
H4バルブがバイクと車で多く使われている最大の特徴として、ひとつのバルブでロービームとハイビームを切替できるという点が挙げられます。
この記事では、H4バルブにおけるバイク用と車用の違いをどこよりも詳しく解説します。
結論を言うと、H4バルブはバイク用と車用で規格は同じでも振動と衝撃に対する耐久性が違います。
各商品のホームページでバイクごとの適合確認は個人の責任において行ってください。
H4バルブのバイク用と車用の違いは振動衝撃への耐久性
H4バルブはひとつのバルブでロービームとハイビームをこなす便利なバルブですが、バイク用と車用とではH4バルブ本体に伝わる振動や衝撃は全然違います。
というのも、車はタイヤで振動を吸収し、ショックとスプリングで衝撃を減退させているので乗車している人は快適な乗り心地を確保されています、イコールこれはH4バルブへの振動も少ないということになります。
対して、バイクはボディとタイヤの距離自体も近く、車と同じようにショックとスプリングがあるとはいえ、その振動と衝撃はバイクのほうが過酷な条件にあります。
H4バルブの車用の2個入りとバイク用の1個入りでバイク用のほうが単価が高いのは耐震性能を高めているからです。
車は徹底して乗り心地を追求されているので、地面から伝わる振動、路面の凹凸による衝撃はまずタイヤで吸収、次にショックとスプリングで減退、さらにボディ全体で逃がすような構造、最後に柔らかいシートで緩和させることで快適な乗り心地を実現しています。
バイクは構造がシンプルなだけにダイレクトに振動と衝撃が伝わるのでよりH4バルブも耐久性が必要になります。
次に、バイクと車で置かれている環境の違いについて解説します。
H4バルブのバイクと車の環境の違い
バイクと車のH4バルブを取り巻く環境の違いについて解説します。
まず、車ではヘッドライトパーツが水を受けるのは前面だけで、前面以外はボンネット内に隠れているので耐久性が高くなっています。
一方で、バイクももちろん前面からの風雨に強いのですが、車のように隠れているわけではなく露出部分が多く、しかも塵やホコリにさらされやすい環境にあります。
H4バルブにどのように影響するかというと、車の完全に密閉されたヘッドライトよりも、バイクのほうがより防水・防塵効果が高くないとバルブ本体の寿命を縮める結果になります。
バイクは露出部分が多く、走行中だけでなく停車中も風雨にされされていて、必然的に湿度も高くなり防水設計でないと故障のリスクが高くなります。
車よりも過酷な環境にあるため、H4バルブ本体も防水・防塵設計であるほうが長持ちします。
車のヘッドライトは仮に片方が切れてしまってももう片方で前方を照らしてくれますが、バイクは1灯しかないため、より安全性と安心が求められます。
H4バルブのバイクと車の後方スペースの違い
H4バルブとひとことでいっても、規格としては光源の位置と口金の形状が決められているだけで、実は製品によって後方スペースの大きさが違います。
車のボンネット内はヘッドライトの後ろにある程度のスペースがありますが、バイクのヘッドライトでは同じようにはいきません。
バイクのH4バルブの交換は、作業自体はとてもカンタンですが、一番のポイントは後方スペースです。
純正で装着されているハロゲンバルブとほぼ同サイズでないと注意が必要です。
H4バルブのサイズで確認すべきポイントは、先端から口金までの長さ、口金からコネクターまでの長さ、そして光源部分の太さです。
このうち、先端から口金と光源部分の太さはほとんど気にする必要はありませんが、口金からコネクターまでの距離は短ければ短いほどいいです。
上の商品は、エフシーエルというネットの口コミでも好評でバイク用H4のLEDバルブを販売しているメーカーですので、もう1社のものと純正ハロゲンバルブの大きさと比較してみます。
バイクにH4LEDバルブを取り付ける場合、後方スペースの確認が重要で、H4バルブの後方に放熱のためのファンがついている製品だと確実に取り付け不可なので注意です。
H4バルブのバイク用と車用の照射光の違い
H4バルブのバイク用と車用でハッキリと違いが出るのが照射光のカットラインです。
バイク用は水平なのに対して、車用は左肩上がりの照射光になります。
これは、車が対向車を照らしにくいようにするためと、左側を歩く歩行者を照らしやすくするための設計でこうなっています。
バイクにはバイク用も車用も取り付けることができますので、バイクで左に曲がるときにより安全なのは車用のLEDです。
(理由はバイク乗りの人ならわかりますよね?バイクの車体が左に傾くので左肩上がりのほうが曲がる進行方向をより照らしてくれます。)
H4バルブのバイク用と車用での選び方の違い
H4バルブこれ自体ではバイク用と車用で違いはないのですが、ここまでに説明した環境の違いと大きさの違いがあることによって、選び方にも注意が必要です。
特に、H4という規格が同じというだけで安いものを選んでしまうと、すぐに点灯しなくなったり、思ったよりも明るくなかったりと失敗することもあります。
特に安価な海外製では光の拡がり方がまばらだったり、カットラインが出なかったりと粗悪品を買ってしまうこともあります。
車が2灯なのに対して、バイクは1灯しかないので明るさと見やすさを重視したほうがいいです。
色温度が6000ケルビン以上の青白い光はファッション性が高くかっこいいですが、雨天時など極端に見えにくくなるのでバイクではオススメしません。
裸電球の色温度がだいたい2500ケルビン、白っぽい色が4000ケルビン、5500ケルビンを超えると青白い感じになっていきます。
個人的な意見ですが、バイク用で使うならちょっと白っぽいくらいがファッション性も安全性も満足できると思うので3000~4500ケルビンくらいがオススメ。
明るさの基準であるルーメンですが、一概に数値が高ければいいというわけではなく、明るさと耐久性のバランスが大事。明るいイコール発熱が強い、発熱イコール寿命が短いに繋がります。数値だけ明るいよりも安定した明るさを発揮する製品でないとダメです。
H4バルブでのバイク用と車用の違いまとめ
H4バルブは採用車種がバイクでも車でも多いため、商品が数多くあります。
規格は同じでもバイク用と車用とでは重要視すべき性能に違いがあるので注意してください。
バイク用のH4バルブを購入する場合は、耐振性、防水・防塵設計、そして後方スペースを確認し、色温度は2500~4500ケルビンのものがオススメです。
各商品のホームページでバイクごとの適合確認は個人の責任において行ってください。
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